●原作者Cinna氏について●


 本名Michael John Simon Flinn. (1932〜1994) 英国人。アフリカ、タンザニアのDar-es-Salaamに生まれ、オックスフォード大学で哲学を学び、卒業後アメリカへ渡る。ニューヨークで劇団に所属し演劇活動を行う一方小中学校で教え人気教師となった。その後カナダに移動し、エスキモー族と居住を共にしながらエスキモー人の小学校でも教師としても情熱を燃やし、1966年ごろ来日した。東京の開成高校、東京教育大学、明法高校、慶応大学などで英語を教えながら、ここに掲載した学生向けのShakespeare劇の脚本を仕上げ、「シェイクスピア野外劇愛好会」《OASIS(Open Air Shakespeare In Summer)》を作って、学生の野外劇大会などを主宰したので、日本の学生で英語劇とシェイクスピアのおもしろさを教えられたものは多い。日本語に堪能であるためその間NHKの海外放送の英訳を手伝う一方で、アメリカの文明批評家・言語学者であるH.L. Menckenの著作を編集した注釈(研究社)も著した。オペラにも造詣が深くフランス語にも堪能で、Beaumarchaisの「フィガロの結婚」の英訳を完成させたり、日本人を題材にした著述も多く、実に多才な親日家であった。静けさと月の光、それにロウソクの灯を何よりも好み、独特のhumourをそなえて実際にShakespeareの世界に生きているような生活の中からこれらの作品は生まれました。



◆このEasy Plays from Shakespeare Seriesについて◆

 テキスト本文中の太字の部分はShakespeareの原作からそのまま抜かれた有名なセリフです。この部分を含めて、丁寧な脚注付きのテキストが東京の開拓社(千代田区神田2-5 03-3265-7641)から出版されていますので、必要であればご利用ください。なおロンドンのアマチュアの劇団がこのまま吹き込んだテープも開拓社で販売しています。興味のおありの方はお問い合わせ下さい。1971年に出版・販売されたものなので絶版のものもあります。