日本は、いろいろな意味で、両極端が共存する国だと説明することがある。明治神宮と表参道も非常に対照的な日本を紹介するのに都合がいい。都心とは思えない鬱蒼とした静かな森とその中に埋まる古式ゆかしい神殿が、原宿駅を境に |
![]() 戦災ですべてが失われた東京と違って、鎌倉は大仏や八幡宮の大銀杏など800年前の鎌倉幕府の面影が残る。だが、西欧の十字架やマリア像などの世界から見ると、120トンもある野外のブロンズ大仏はお化けに過ぎないかもしれない。この国宝像に対峙して拝んでいる日本人はほとんどいないが、タイやビルマの人はここで 東京と違って、鎌倉の寺は、外人を連れて行くとガイドはタダで 大仏の近くの長谷寺も変化に富んでいて外人に人気がある。まず入口右の山門。真ん中に大きな提灯が下がっていて浅草の雷門を少し小さくしたような感じだが、門自体が太い松の陰にあり、古くひなびていてずっと趣がある。しかしその門は通らせてもらえない。人通りがないのでその前で写真を撮るのには好都合。無味乾燥な脇の駐車場から券売所を通って庭に入る。小さな日本庭園は水が豊富でアヤメなども風流だ。しかし階段を上がった途中にある ![]() この辺は海岸が近い。外人向けの適当な食堂もないので、晴天時にはコンビニで食べたいものを選ばせて、海岸でピクニックというのもいい。だが海岸の汚さはひどいものだ。「道路や駅、電車の中などはチリ1つ落ちてない日本で、どうして海岸はこんなにゴミの山なのか?」と率直に疑問の声があがる。「ビーチが近い」と言うと、すぐに「行きたい」ということになるが、大抵はがっかりで声も出ない。しかし日本人はゴミと隣り合わせでも水着で結構楽しそうにしているのを見て不思議そうな様子。ヨーロッパなどの海岸とのイメージ落差はどうにもならない。
東京の日本人だと箱根といえばドライブということになるが、外人の個人旅行をガイドするときは普通公共交通機関を使う。しかしそ 更にフリーパスで空中を芦の湖畔へ降りる。子供だましの海賊船で対岸の元箱根付近へ。観光客の数が多いのに船が小さいので、甲板には椅子が全くない上に満員電車なみの混雑になることもある。晴天のときに船室の中に居たのでは新鮮な空気にも当れない。それに船室の天井が低く、外人には頭が当ってしまうので常に中腰で移動することになり大変。それでも甲板に立って緑に囲まれた真っ青な湖を走るのは爽快で、歓声をあげてカメラを撮りまくる。遠くの岸辺に箱根神社の小さな赤い鳥居が見える。ミニ厳島だ。これで富士山が背景に 温泉を経験したいという外人もいる。日帰り温泉も多くなったので、同性だと湯船を共有することもある。水着をつけないで入る習慣や日本の湯の温度がかなり高いこともあり、違和感があるようだが、自然の雰囲気を取り入れた岩風呂や特に露天風呂は興味津々。風呂場にカメラを持ち込んで「記念撮影」になる。外国だとポリ容器の小さなバスタブがプールなどの側に置いてあるだけで、「温泉があります…」と宣伝しているモテルもあったので、かなりイメージの違いがある。 ![]() ![]() |