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あいにくの小雨の中のガイドだったが、とても元気なギリシャの若い3組のカップルでした。まず国立博物館を見たいというので、出来るだけ雨を避けて地下道をたどりながら、東京駅へ出て、雨の上野へ。歴史に興味があるというので常設館だけにして、1600(私はSeniorなのでタダ)。英語の説明書きもあり、それぞれ興味も違うようなので、最初一般的な説明をして、各自のペースで見てもらう。奥で平成館にもつながっているので行き過ぎて、1人が迷子に。でも平成館の喫茶店で合流。一行はたまたま友人同士の30代カプルで、米穀商、結婚衣装デザイナー、建築家などさまざまだが、コーヒーを飲みながら、あまり関係のない質問が続々。曰く、「日本はどうして50年もConservativesの内閣が続いたのか?」「アメリカに2度も原爆を落とされながら、どうして敗戦直後から日本はアメリカと仲良くなったのか?」「憲法9条改定に賛成か?」「労働者の初任給は?」「日本の若者の結婚形態は?」「所得税は年金は教育費は?....と好奇心旺盛。近代的な建築物の法隆寺宝物館にもとても興味を示し、雨の中で盛んにシャッターを切る。

雨にぬれながら、更に東照宮、大仏跡を抜けて、弁財天、不忍池からアメ横へ。簡単な雨よけでしのいでいた彼らも、そのときになって傘を求める。降れば土砂降りしかないギリシャから来て、日本の雨を少し甘く見ていたようだ。

彼らは良く調べていて、日本についた5/16に自分たちだけで浅草の三社祭に行ったそうだが、神輿と人ごみだけしか見れなかったそうで、もう1度浅草へ行きたいという。仲見世で衣装デザイナーのAnnaさんが着物を買う。2着で7500円だったが消費税を減額してほしいと言い張る。店の主人は「そんなことはやっていない」と聞かない。しかもカード払いなのでカード会社に400円の手数料を取られるので...と店主の老人は不満顔。結局双方妥協して200円引きで折り合いがつく。仲見世は小間物が多いので、税金でがんばる外国人は今まであまり会わなかったが、こういう人もいるのだなあと思う。

こちらが説明する前に、線香の煙、おみくじ、浅草観音の由来などすべて調べて知っているので、本堂でゆっくり人をながめて、浅草寺の周りを歩く。

花やしき近くの狭い路地を通りかかったとき、小さな古い食堂(写真)を見つけて入りたいという。狭いカウンターの後ろに小さなテーブルが3つあるだけの店。お客はなかったので、我々だけで占拠。カウンターの上には大きな鞘のついたソラマメ、蕗、サトイモ、ナスの煮付け、ポテトサラダなどが別々に料理されてラップをかけられて置いてあるだけ。近くに馬券売り場があり、そのお客が店のテレビを見ながら食事をとる店だという。でも彼らは雰囲気が気に入ったようで、思い思いに注文してもらって、生ビールで乾杯。ちょうど始まった相撲を見ながら大はしゃぎ。グルジアの相撲取りが勝つと、ヨーロッパが日本に勝ったと大喝采だった。本当は相撲を実際に国技館で見たかったようだが、その場で問い合わせて、当日売りは4900円以上の席しかないと言うとテレビ観戦に切り替えた。

その後、4人は秋葉原に行きたいと言い、建築家とその彼女は原宿にいって安藤忠雄の建築が見たいと言う。4人を末広町で降ろし、2人を更に表参道まで連れて行って、安藤氏の「表参道ヒルズ」や丹下健三の「森英恵ビル」や「オリンピック水泳競技場」を見せて原宿で別れた。

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一行の1Helenaという女性が歌舞伎を見たいというので、調べたが、2013年まで新橋演舞場に引き継がれた「歌舞伎公演」では、例の1幕だけの見学席は廃止され、英語のイヤフォンガイドも中止になったので、3年間は「普通の外国人がちょっと見る」のは不可能のようです。

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昨日(2/8)の午後、担当になられていたTさんから電話で、風邪をこじらせて声がでないということだったが、その時点で再募集をかける時間はなかったので、私が引き受けることになった。

その夜プリンスホテルに電話して、Deanさん夫婦に事情を話して了解を取り、翌日ロビーで話し合って行き先を決めることになった。

電話で、私は青い野球帽をかぶって行くと言っておいたので、ロビーのソファで休んでいると向うから見つけてくれた。希望を聞くと、京都で散々お寺は見たので、少し違う方面を見たいとのこと。娘さんに原宿を勧められていて、まずそこへ行きたいという。原宿で明治神宮へ行かないのも変なので一応奥の本殿まで歴史や事物を説明しながら進む。しかし少し時間が早かったせいか結婚式の行列には遭遇しなかった。

夫婦は50代半ばだが竹下通りのサイケデリックな衣装には興味津々。表参道ヒルズの内部や丹下健三の森英恵ビルを見る一方で、豪州に残したパートナーと同居する長女や、ロンドンで現地の旅行社に勤めながら小説家を志す次女へのお土産も探したいというのでOriental Bazaarに行く。日本人形を見ると、Carolは弟が広島の日本人と結婚したときにもらった人形を思い出し、懐かしそうに話す。一方でWarwick30年前にもらった秘密箱と同じからくり細工を施した木箱のことを自慢する。

次は新宿のskyscrapersを見たいというので、都庁へ。展望階からの眺めも、晴れているのにいつもと違ってモヤがかかってすっきりしない風景。地下の志乃多寿司で食事。寿司の食いっぷりのすごさや全く自然な箸の使い方をほめたら、東京の次で世界第2の魚市場を持つシドニーからの人間だから当然だという。シドニー近くでも彼らが子供のころは手でprawnが取れたそうだ。

ついでに隣のNSビルに世界1の振り子時計があったはずだと思い、話題にしたらWarwickが興味を示したので案内した。しかし何となく小さく感じた。以前の記憶ではもっと大きく振り子も長かったように思ったのだが、ちょっと意外だった。

次は銀座へ行きたいという。ソニービルをさっと見て、三越のデパ地下へ。うっかりしたがバレンタインデーのチョコレートを買う行列で大変な混雑。ステーキ用の肉が、2/9(ニク)の日というので年に1度の半額特価だという。ところが値段を見た彼らはそれでも豪州の3倍の値段だというので、これは和牛だと言ったら、豪州でも「ワギュウ」という形で生産し、日本へ輸出しているという。

歌舞伎座へ足を伸ばす。あと81日で取り壊すという電子掲示板の数字が秒刻みで減っていく。記念撮影だけで、つぎは地下鉄で皇居前へ。すでに4時を回っていて東御苑は入れないので、二重橋前で記念撮影だけ。

最後にWarwickさんが秋葉原に行きたいという。スキーの関節痛で階段を登りにくいCarolも不承不承付き合う。テレビ技術者の彼は興奮気味。今度来たらここで時間をかけると宣言して自分の使う道具類を物色する。やや夕暮れの様子の中、山手線で品川まで行き電車の中で分かれた。

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今回のオーストラリア人夫婦は白馬でスキーを楽しんだあとの旅行であった。オーストラリア人は北海道のニセコ近くに大挙して押しかけ、日本人のスキー場を乗っ取っていると豪州でも批判があるそうで、そのため故意に北海道を避けて白馬にしたという答えが返ってきた。日本人が大挙して外国に行くのが批判されるけど、同じようなことがオーストラリア人に起こっているのを知って驚いた。


112/25()2011年

電話か来たのが900amだったので、1100に池袋のホテルのロビーで会った。会ってみると意外に感じの良い青年。態度は丁寧で、とりあえず交通費として3000円を差し出した。隣国以外の海外旅行は初めての20才。チューリッヒの郊外20kmに住み、スイスの国鉄職員で検札をしているという。前日成田到着後JRパスやモバイルを確保しようとみどりの窓口や池袋のSoftbankの店を訪ねたそうだが、英語が通じなくて苦労したという。JR Passを買うときにくれるスイカのカードを持っていたので、まず池袋駅の自販機の前でチャージの仕方を教える。これは英語の表示に切り替えられるので問題ない。

スイスの鉄道マンなので、列車には格別の興味を示し、色の違う列車を見るごとに歓声をあげて夢中になってシャッターを切る。何しろバックパックの中は棚になっていて、種々のレンズ、フラッシュ、バッテリーなどがぎっしりと整理されて入っている。新宿駅で降りて特急あづさや近距離の中央線の写真、それもグリーン車と普通車の部分を区別して撮り、中央線快速に乗りかえた車中でも、混みあった状況が珍しいようだ。車掌なので、立っていることは気にならないらしく、席が空いても座らないので、こちらも何となく座りにくい。

東京駅に着く。東北新幹線の改札を確認。彼は鉄道員らしくJRパスの種類も任意の4日を1日ずつ自由に選べるフレキシブル・パスを選び、グリーン車用。だがJR東日本パスなので関西方面には行けない。仙台、青森、新潟、長野などの往復を計画しているようだ。特に新しい「はやぶさ」に乗りたいとのこと。最速「のぞみ」に乗れないハンディのある関西方面行きJRパスと違って、どの特急にも乗れるJR東日本パスの利点を知っている。

丸の内側に出て皇居に向うが、ここでも青空を切り取る高層ビル街に感動。魚眼レンズまで持ち出してシャッターを切り続け、なかなか進めない。二重橋でも遠くに見えるガードマンを望遠で顔の表情まで見える写真にする。

いつものように東御苑に寄る。日本庭園は工事中で塀で囲われ閉鎖中。天守閣跡から北桔梗門を抜けて内堀沿いの大手町駅から浅草へ。スイスには地下鉄もないとのことで、これも興味津々。

浅草の仲見世はあまり興味がなさそう。それも砂糖アレルギーで砂糖の入ったお菓子は全てご法度。しかしおみやげにはスイスチョコレートは用意して来ていた。自分で持ってきたと言うビスケットを味見させてくれたが、全く味が付いていない。たまたま年末のお祭りの日曜日で境内は大混雑。砂糖はダメだし、昼食の場所探しも大変。見ると屋台がズラリと並んでいて、から揚げやたこ焼きが目に付いたので、提案。私が最初に毒見をしてひっくり返らないのを見たら、彼も食べ始めてあっという間に平らげた。これで満腹ということで、次は本命の秋葉原。駅に着いたとたんに彼の興奮が伝わってくる感じがする。すでに4時半をまわっていてネオンがきれいになり始めた歩行者天国の大通りで、"Oh, my God!"を連発しながらたシャッターを切る。しばらくして我に返ると「持参したノートパソコンのコネクターを買いたい」という。端が小さな3本足のプラグと日本のACプラグのついたケーブルをやっとヨドバシアキバで見つける。780円で10%のポイントが付くので、一旦私のカードのポイントから78円分抜いて、新しく買ったプラグのポイントを私のカードに入れて、差し引きゼロにしてくれた。ここまでやらないでもいいかもしれないが、日本国籍でないとカードを持てない制度の中でポイントを外国人に還元させるにはこれしかない。店員もその辺は心得ているようだ。

これで彼はホテルのWiFiを使って自分のパソコンで今日撮った写真を故国の友人に送れると大喜び。Facebook にもアップロードすると、皆が羨ましがって、"I'll kill you"という言葉がいくつもかえって来るそうだ。命が100個あっても足りないくらい彼らはjealous(どういうわけか「チラス」と聞こえてわかりずらい)になるそうだ。しかし昨夜ついたばかりなので、時差ボケもあり、そろそろホテルへ戻ることにして、JR池袋駅までおくってこの日は終り。

212/26()

10時に秋葉原ということで駅前で会う。5分前には現れてpunctualだろうと自慢げ。うっかりしたが、今日は月曜日でUDXビルの「アニメ・センター」は休み。しばらくヨドバシアキバでカメラの交換レンズを物色したあとで、彼がメイルで行きたいと言っていた「まんだらけ」というアニメやゲームソフトの黒いビルへ行く。彼はいつも快活で笑顔を絶やさず、よく気も遣うことができるし、礼儀正しいのだが、自分では典型的な「オタク」だという。両親は離婚していて、母親と暮らしている。母はオーブンを輸入して販売する会社のCEOで、父が今住むロシアに家も建ててやったほどの金持ち。ガールフレンドはいたが、彼がオタクだと分かると分かれていったという。自宅の彼の部屋の写真をiPhone4に入れてきて何枚も見せてくれたが、アニメ一色という感じ。壁という壁には天井から大きなアニメの巨大なキャラクターのタペストリーが何枚も垂れ下がり、棚は全て大小の様々の色と形の奇妙な人形のコレクションで満たされている。反対側の棚はゲームソフトの箱が並べられ、机にはパソコンやゲーム機が整然と置かれている。

店を一緒に歩くと、人形、大小の絵、タペストリー、クッション、枕、などあらゆるものの場所で、「これは家にもある」と彼がいう物がゾロゾロ。ちょっと見たところ私には小さなプラモデルの人形にしか見えないものが1万円以上もする。材料が違うのだとか...。ハグして寝るための大きなキャラクターの絵の入ったクッション、というか布団まである。

なぜこういうことに没頭するのかと聞くと、やっぱり寂しいのだという。そして多くのスイスの若者もそうだという。その心の隙間に幼少の頃からなじんだ日本の「文化」はピッタリと入り込むらしい。だから彼がこの方面のホームページで情報を発信すると、すぐに数千のアクセスがあるとか。ゲームソフトの売り場を歩いていて、日本人向けに日本語でしか書いていないパッケージをちょっと見て、表面に書かれている日本語、例えば「星空に架かる橋」などという文字がスッと読めてしまう。というより、描かれたキャラクターの絵を一目みて、慣れて覚えている日本語が自然に口に出る。彼自身はできないが、彼の友人仲間はほとんど日本語のまま日本の漫画を読んでしまうそうだ。

「全部費用を持つからメイド・カフェに行ってみたい」としきりに頼むので、近くの店に入ってみる。裏通りのせいか、席料は安く315円かかるが、かなり空腹だったので、そこで昼食にする。肉と魚の付いたランチセットや生チーズのかかったカレーライスが800円だからまあまあ。2人のメイドもセーラー服にエプロンを着けただけの学生風で、変に飾り立ててはいない。お客は我々以外に中年の男性1人だけ。スイス人が来たというので、メイドも寄ってくる。彼女らも何とか英語で話しかけようとするが中途半端。助け舟を出しながら、コミュニケーションもとるが、月並みな質問。しかし彼自身は「生身の」日本人少女と話が出来て非常に満足そう。写真を撮りたがるが、厳重に見張られていて料理以外は一切撮らせない。しかし店を出たあとで、「あのメイドは私の好みで、スイスへ連れて行きたいくらいだ」と言った。人間以上に人形やアニメの世界に没入しているようで、やっぱり人間にも興味があるんだと少しホッとする。秋葉原というのは、オタクの世界とその延長線上の生の世界を彼らが両方行き来できるように作り出された妙な空間のようだ。メイド・カフェなるものが出現するもともここにあり、最初に風光明媚な世界の観光地スイスからなぜわざわざ汚い東京に来たのかと聞いたときの答えも「秋葉原」だった理由が少し分かった。

そのあと東京を高いところから眺めたいというので、新宿の都庁へ登る。例によって高機能のカメラを駆使して、陰影と構図のおもしろい写真を次々に撮っては自慢げに見せる。左半分雲がかかっていたが富士山も見えた。隣のNSビルの吹き抜けにある世界最大という振子時計も見せて、新宿から山手線に乗せて別れた。

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